ヘミシンクはヘッドホンで聴かないと効果がない?
イヤホンじゃダメなの?
いえいえ、イヤホンでOKですよ。
それどころかワイヤレスでもノイズキャンセリングでもOK。
このへん、多くの人が誤解や勘違いしているんですよね。
今回はヘミシンクを聴くのにおすすめのイヤホンについてしっかりと解説していくとともに、実際のモデルもおすすめしていきたいと思います。
取り急ぎ、おすすめはコレだ
まず、ヘミシンクを聴くのにおすすめ、という観点で見ていきますね。
つまり家で聴くことを主目的として推薦していきます。
外出する際に使うとか、騒音の多い場所で聴くなどの場合は別途おすすめ品を紹介します。
ご理解いただきたいのですが、ヘミシンクは基本的には静かな環境でリラックスした状態で聴くのが大前提ですから、イヤホンのデザインとかノイキャン(ノイズキャンセリング機能)などは考慮していません。
オーソドックスにカナル型を選ぶならコレ
いまどき有線タイプのイヤホンって・・・
そう思うかもしれませんが、家でヘミシンクを聴くなら最もシンプルで使いやすく、使用中のトラブルも少ない有線タイプがおすすめです。
SHURE SE215
私がまずおすすめしたいのは、SHURE SE215 です。
シュアーはマイクロホンやヘッドホン、イヤホンの専業メーカーで、数々の優れた製品を発売している老舗です。
オーディオマニアなら知らない人はいない、というくらい有名ブランドです。
私も本もデルを含めシュアーのイヤホンを数本持っていますが、原音再生に忠実なフラットな音場を聞かせるタイプの音作りが特徴です。
このメーカーのイヤホンは種類が多く、数千円のモデルから10万円を超える価格のモデルまで揃えていますが、なかでもSE215は音のひとつひとつがとてもクリアで鮮明に聞こえるため、ヘミシンクには特におすすめです。
SENNHEISER IE60
ゼンハイザーはヘッドホン、イヤホンの専門メーカーで、特にヘッドホンの評価は世界的に高いブランドです。
耳に装着した際の違和感が少なく、長時間付けっぱなしでも耳が痛くなりにくいのはすばらいいです。
シュアーのイヤホンと同様に、耳にケーブルを引っかけて装着することでケーブルがこすれたり当たったりした際に発するノイズ(タッチノイズ)を軽減できるため、ヘミシンクに集中できます。
また、イヤホン自体の遮音性が高いため、多少騒音や雑音のある環境下で使用しても気になりにくいのもおすすめできるポイントのひとつです。
ワイヤレスタイプを選ぶならコレ
さて、今となってはイヤホンはワイヤレスが主流となっていますよね。
ヘミシンクを聴くのにワイヤレスである必要はありませんが、入手のしやすさやヘミシンク以外でも使いたいと考えているなら、ワイヤレスも選択肢とて十分にありです。
ほとんどのモデルはBluetoothでワイヤレス接続するタイプのため、ヘミシンクのプレーヤー側にもBluetooth対応が必要となりますのでご注意ください。
有名ブランドからノーブランドまで多岐にわたる品揃えですが、無線接続の安定性や信頼性が選択時のポイントとなります。
JBL LIVE FREE 2
数あるブランドの中でも音の品質、デザイン、価格を考慮した際に最もバランスがとれているのはJBLのワイヤレスイヤホンです。
このLIVE FREE 2は、ノイズキャンセリング機能もあるので、多少の騒音があっても気にならないレベルに低減することが出来ます。
しかしながら、完全に騒音をカットするものではありませんので、そこのところは理解しておいた方がいいです。
気にならないくらいのレベルにまで騒音を「低減する」機能であり遮音ではありません。
まあこれはどのメーカーのイヤホンも同じようなもので、あまり多くは期待しすぎない方がいいでしょう。
横向きになって寝て聴く人ならコレ!
ヘッドホンでもイヤホンでも、耳に装着した状態で横向きに寝ると耳と枕が当たってしまいますよね。
これじゃ耳が痛くなるしヘミシンクに集中することが出来ません。
そんな悩みを解決してくれるのが「スリープフォン」です。
スリープフォン・ワイヤレス(SleepPhones(R) Wireless)
スリープフォンはソフトなヘッドバンド素材に超薄型のイヤホンが内蔵されており、ヘッドバンドを巻いて横向きに寝ても耳が痛くなりません。
これまで横向きに寝るのが最もリラックスできる人にとって、我慢して仰向けに寝て聴くしかなかったのですが、スリープフォンの登場で横向きに寝た姿勢でヘミシンクが聴けるようになりました。
これははっきり言って画期的なことです。
まずは誤解を解いていきましょう
とまあ、いくつかのおすすめ製品を紹介してきましたが、何も考えずイヤホンを入手したいなら上記のモデルを購入しておけば間違いはありません。
しかし、上記で紹介したモデルがちょっと・・・という人のために、ヘミシンクで使用するイヤホンの正しい選び方を解説しておきますね。
実は、巷では勘違いしている人がすごく多いんです。
その勘違いを正していきたいと思います。
音質にこだわった方がヘミシンク体験しやすい
私がヘミシンクのセミナーでトレーナーをしていると、イヤホンの選び方について質問を受けることが数多くあります。
中でも多いのが「高級なイヤホンの方が良いと聞きました」とか「音質にこだわった機種を選んだ方がヘミシンク体験がしやすいのでしょうか」といったものです。
はっきり言いますね。
ヘミシンクを聴くのに高級なイヤホンなんて必要ありません。
音質も気にする必要はありません。
もっと乱暴な言い方をすれば、なんでもいいです。笑
これはヘミシンクの原理を考えていただければ分かるかと思いますが、ヘミシンクは左右の耳に僅かな周波数差の音を聴かせることで脳波を特定の状態へと誘導していくものです。
ここで重要なのは「周波数差」だけですから、音質や高級かどうかは無関係です。
唯一、気にしなければいけないとすれば、ステレオで音が聞こえるモデルであるかどうかだけです。
左右の耳に異なった音を聞かせることが出来れば、どんなイヤホンでもOKです。
コレさえクリアしていれば、音楽プレーヤーに付属しているイヤホンでもコンビニで売っているような1000円もしないようなイヤホンでも良いんです。
ヘミシンクに用いられている音の帯域は大して広くもありませんから、人間の可聴帯域を超えるようなレンジまでカバーしているような高級イヤホンなんて全く必要ありません。
じゃあ何故、上記では結構しっかりした製品(価格も性能も)を紹介したのか?
それはイヤホンはヘミシンクだけに使うものではないからですね。
もちろん、ヘミシンク専用とか音楽リスニング専用とか、いくつものイヤホンを使い分けるというのであれば、上記で紹介したイヤホンはヘミシンク用としては明らかにオーバースペックです。
ヘミシンクも聴くが、普段はお気に入りの音楽もガンガン聴くよ、という人にも満足していただける性能と音質を持ったモデルとして紹介しています。
ですから価格帯も比較的高めのモデルとなっていますので、もっと安いのでいいや、という人は安いモデルを購入していただいても問題ありません。
では何を基準にイヤホンを選べば良いのでしょうか。
選ぶ際に気にすべきは音質でも価格でもない
ヘミシンクに使うイヤホンを選ぶ場合、音質とか価格というのは気にする必要はありません。
では何を気にすれば良いのか。
それをこれから説明していきますね。
装着感が最も大事
最も重要なのは「装着感」です。
これはイヤホンでもヘッドホンでも同じ。
どんなに音質が良くても、またどんなにデザインが素敵でも、装着してみて違和感があるならそのイヤホンはNGです。
ヘミシンクを聴く際には「イヤホンを装着していることを忘れる」くらい装着感の優れたモデルが理想です。
装着感が悪く、ヘミシンクを聴いている最中ずっと耳に違和感がある、だんだん痛くなるようなイヤホンははっきり言って論外です。
だってそうでしょう?
ヘミシンクに集中できないですから。
で、価格やデザインはネット通販でも確認できますが、装着感は実際に自分で装着してみないことにはわかりません。
ですから可能な限りお店に出向いて自分で耳に装着して、装着感を確認することがとても大事です。
ただしお住まいの事情でお店に行くのが困難な場合、まずはクチコミ情報などをたよりに装着感の良さそうなもの、かつあまり高額ではないものを試しに購入しましょう。
本当は購入する前にお店で試すのが一番ですが、それが困難なら安いモデルを購入して装着感を確かめるしかありません。
それで装着感が良くないなら別のモデルを新たに購入するしかありません。
この「装着感」は、ヘミシンクを聴く上であなたが思っている以上に影響しますから、しっかりと選定することをお勧めします。
価格は気にせずともブランドは気にせよ
さて、ヘミシンクを聴く上で、イヤホンは高級なものは不要と説明しましたが、装着感以外にもうひとつ気にしておくべきポイントをお伝えしますね。
それは「ブランド」です。
え、ブランドなんてどこでも良いんじゃないの?
と思うかも知れません。
たしかにほとんどのブランドは何を選んでも問題ないんですが、気をつけなければいけないのは「怪しげな」ブランドです。
例えば、ソニーとかパナソニック、パイオニアなど国内有名家電メーカーの製品ならどれを選んでも全く問題ありませんが、聞いたこともないメーカーやノーブランド製品は避けた方が無難です。
え、だけど有名ブランドはけっこう高いじゃん・・・
と思う人がいるかと思います。
いいですか。
価格が高いのにはちゃんと理由があります。
それは製品の品質もさることながら、アフターケアの費用も価格に乗っかっているとお考えください。
製品はまともに動作している間はどのブランドのものでも差はありません。
しかし期せずして故障やトラブルが発生したときに、十分なサポートが受けられるか。
実はここがとても重要なんです。
以前、私が購入した製品(海外ブランドでしたがオーディオ界隈ではとても評価の高い製品でした)は、パッケージを開けてみるとケーブルの被覆が一部剥がれかけていました。
これは不良品だ、ということでメーカーに連絡したところ、翌日には新品を送ってくれました。
こういう対応って、使う立場で考えるとすごく安心できると思いませんか。
国内の有名ブランドはだいたいこうした対応が行き届いていますし、海外ブランドでもオーディオ界隈で高評価のブランドはしっかりしたサポート体制を持っています。
しかし、ノーブランドや聴いたこともないブランド(その多くは某社会主義国製です)は価格的に安いため魅力的に感じますが、何かあった場合にはほとんど対応してもらえないと思った方が良いです。
以前私はある製品(某社会主義国製です)を購入したところ、1週間も使わないのに壊れてしまいました。
サポート窓口に電話しても、カタコトの日本語で「それは私たちのせいではない」みたいなことを言うばかりでまともな対応をしようともしません。
まあ、安い製品だったため不愉快ではありましたが諦めましたが。
安かろう悪かろう、という慣用句は正しかったことを痛感した出来事でした。笑
またそういう怪しげなブランドの多くは、売りっぱなしのためイヤピースなどの交換部品なども手に入らないケースが多いため、結局は長く使えずかえって高い買い物になってしまうことになります。
口コミは当てにならない
もうひとつ。
ネット通販大手のアマゾンなどで購入しようとする場合、使用者のレビューを参考にする人が多いと思います。
しかしこのレビュー、気をつけないと痛い目に遭うことになります。
有名ブランドに付くレビューのほとんどは、実際に使用した人の書き込みですからそのまま信じて良いと思いますが、聴いたこともないブランドにもかかわらずレビューがたくさん付いていて、しかも☆5つばっかり・・・コレは怪しいです。
どんなに優れた製品でも、良い評価ばかりが付くというのは不自然です。
というのは、人はさまざまな基準で製品を評価しますから両手放しで賞賛するようなレビューばかりになるはずがないんですね。
にもかかわらず、☆5つで褒めちぎったレビューばかりが目立つ場合、これは「やらせ」だと思って間違いありません。
お分かりですよね。
聴いたこともないブランドだけど、安いしレビューの評価も高いから安心だ。
なんて、簡単に信じないようにしてくださいね。
イヤホン以前の話
最後にイヤホン以前の話。
イヤホン選びにばかり夢中になって、肝心のヘミシンクの音質に無頓着・・・なんてズッコケてる人、いませんか?
最近ではCDのまま聴いている人は少なく、スマホや携帯音楽プレーヤーなどに読み込んで聴いている人がほとんどでしょう。
この際に、設定を誤るとヘミシンクの効果が得られなくなることがありますので注意が必要です。
もっとも利用者が多いと思われるiPodやiPhoneの場合、CDから音源を取り込む際に何もしないと「圧縮」された形で取り込まれます。
圧縮されるというのは、もとからある音源の一部を「間引いて」取り込むという意味です。
間引くわけですから、当然もとの音源とは違ったものになります。
この「間引く」という行為ですが、じつは大きなメリットがあります。
もとの音源のまま取り込むと、ファイルのサイズが大きく、多くの音源を取り込むことが出来ません。
間引いてファイルサイズを縮小することで、より多くの音源を取り込むことが出来ます。
音楽系の音源の場合、多少の音を間引いてもほとんど気付くことがないため、この「圧縮」というのは良いことずくめなワケです。
しかしヘミシンクの場合、必要以上に音を間引いてしまうと本来の機能すなわち脳波を特定の状態へと誘導することが出来なくなってしまうんですね。
で、iPodやiPhoneの場合、標準で設定されている圧縮度だとヘミシンク効果に影響が出ることが分かっています。
具体的には128kbpsという圧縮率が標準で設定されているんですが、この規格ではヘミシンク効果を得るのに最低限必要な音「以上」に音を間引くことになります。
この「bps」という単位ですが、ビット・パー・セカンドの略で、簡単に言うと1秒当たりにどのくらいの音が記録されているかを示すものです。
128kbpsとは実際の音源の10分の1くらいまで音を圧縮していることになります。
ここまで圧縮してしまうとヘミシンクの効果に影響が出るということなんですね。
このため、ヘミシンクの音源をiPodやiPhoneに取り込む場合、設定を変更してやる必要があるわけです。
標準で128kbpsの設定を、最低でも192kbps以上にしてやることでヘミシンク効果は維持できます。
128kbpsに比べ、若干ファイルサイズは大きくなりますが、ヘミシンク効果を維持するためには最低限必要な設定ですので、取り込む前に必ず設定を変更するようにしてくださいね。
ここを怠ると、イヤホンがどうとか言う以前にヘミシンクを聴く意味が保てませんから。
総括すると
今回は、ヘミシンクに使用するイヤホンについて解説しました。
ヘミシンク専用としてイヤホンを用意するなら、音質とかデザインを度外視して構いませんが装着感はしっかりと確認してください。
ヘミシンク専用ではなく普段は音楽も聴くよという人は、音質もそこそこ良いモデルを選べば良いでしょう。
ただしこの場合も装着感は重要ですので無視しないでくださいね。
あと、長く使うことを考えるなら怪しげなブランドの製品には手を出さない方が無難です。
なかなかここまで解説している記事はないと思いますので、是非とも本記事を参考にして、あなたに最適なイヤホンを選択してくださいね。
ということで今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。