あれ?
いま誰かに触られてような・・・気のせいだよね。
近くに誰もいないのに身体を触られた感覚があったとか、頭を撫でられた感じがしたとか、聞こえるはずのない音が聞こえたとか・・・
こういう話を霊能者とか霊媒師なんかにすると、それは霊の仕業だとか言われます。
で、正しく除霊しないと大変なことになるなんて言われちゃうわけですが、安心してください、そんなことはありませんから。
霊があなたに触れるとか、そういうことはほとんどありません。
では何故、誰かに触られたような気がしたりするんでしょうか。
今回の記事では、こうした「誰かに触られている感覚」についてイタズラに怖がるのではなくちゃんと理解するとともに、悪質な詐欺師に欺されない秘訣も併せてお伝えしていきます。
触られている感覚は霊の仕業なのか
身体の一部に触られている感覚とか、頭を撫でられたり髪の毛に触られたりする感覚がする、という人はけっこう多いようですが、それがイコール霊の仕業かというと答えはノーです。
はっきり言いますが、霊があなたに対して何かをしてくると言うことはほぼありません。
とはいうものの、じゃあどうしてそういう感覚になるのか?
当事者としてはやはり気持ち悪いしなんとなく怖いし、その原因を知りたいと思いますよね。
誰かに相談したくても、医者とかだと「気のせい」と言われておしまい、というケースも多いことでしょう。
かといって他に相談できる人を知らない・・・ネットで触られる感覚について調べてみると多くのブログで「それ霊触といってね・・・」なんて尤もらしいことが書かれている。
で、そういうブログには判で押したように占いだとか除霊だとかスピリチュアルカウンセリングだのに誘導する広告が貼ってあって。
藁にもすがる思いでその広告リンクをポチッとしてしまうと・・・
まあ全ては自己責任ですから好きにすれば良いと思いますが、そんなペテンに欺されないためにも事前にしっかりと知識を持っておくことは重要です。
触られている感覚(霊触)って?
さて、さまざまな怪しげなサイトで言われている「霊触」とはいったい何なのでしょうか。
あるサイトの説明によると「目に見えないエネルギーを五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚など)で感じ取ることのできるサイキック能力」とのこと。
要は霊が接触してくるのを感じ取ることの出来る能力のことらしいです。
これ正しいようで正しくありません。
そもそも、目に見えないエネルギーの存在は確かにあり、この部分に関しては間違っていません。
しかしそれを感じ取る能力は特別なものではなく、誰にでも感じ取ることが出来ますからサイキックな能力でもなんでもありません。
人間なら誰しもが持っている、不可視のエネルギーを感じ取る能力のことを、なにか特別なものであるかのように言うのは強い違和感を感じてしまいます。
霊触の具体例
実際に霊触と呼ばれる感覚は、全ての人が日々当たり前のように感じ取っているんですが、それがあまりに普通のことのため誰もそれが特別なものだと思いません。
良いんですそれで。
実際、特別なものでも何でもありませんから。
そんなこと言ったって、実際に誰かに触られている感じがして気味が悪いんですけど。
という人も多いと思いますので、まずは具体的にどのような霊触があるのか見ていくことにしましょう。
その上で、それらが特別なものでも何でもないことをしっかりと説明していきますね。
頭を撫でられている感覚
風もないのに髪の毛がさらさらと波打つような気がするとか、実際に誰かが自分の頭をそっと触っているような気がする・・・
こうした現象は実際に起きているものではありません。
髪の毛が逆立つように感じたときに鏡を見ていても、実際に髪の毛が逆立つことはありません(当たり前ですが)
これは、髪の毛が逆立つように「感じた」だけのこと。
何かサイキックな能力を期待した人には申し訳ありませんが、これは頭皮の一部が何かに反応した結果に過ぎません。
何かってなに?
さっき説明したでしょう、目に見えないエネルギーですよ。
あなたの周りには目に見えないエネルギーが無数に存在するんですよ。
わかりやすい例で説明すると、電子レンジに冷凍食品を入れてスイッチを入れると数文語にはアツアツの料理ができあがりますよね。
あれ、電磁波が食品の分子を振動させてその熱で温めるんですが、その様子を目で見て見える人はいません。
また、テレビからお笑い芸人が面白い話をしているのを毎日のように見ますが、テレビの中にそのお笑い芸人はいませんよね。
これ、放送局で出演している芸人の映像を電波にして飛ばし、それを家庭のテレビが受信して電波を映像に変換しているんですよね。
電磁波同様、電波も目に見えませんよね。
電波や電磁波は肉眼で見ることが出来ないだけで、オシロスコープとか波形測定器を使えばその存在を可視化することが出来ます。
しかしながらこうした「形を持った」もの以外に「形を持たない」エネルギーというものも存在します。
代表的なものとしては人間の意識なんかがそうですね。
意識は物質ではありませんから、どんな測定器を以てしてもその存在を可視化することはできません。
敏感な人だと、電磁波とかにも反応してしまいますし、特に敏感じゃない人でも非物質のエネルギーに反応することも普通にあります。
そういうエネルギーに反応した結果、髪の毛が逆立つような気がするとか誰かに頭を撫でられたような気がする、というわけです。
こうしたことは自然なことの一部ですから、そこに特別な意味を見いだそうとするのは無意味なことです。
外を歩いているときに風が吹いてきたからって、何か意味があるのでは・・・なんて考えないでしょう?
それと同じです。
そこに意味なんてあるはずがないんです。
身体を触られている感覚
誰もいないのに肩を触られたような気がしたとか、腕を微かに撫でられたような感じがしたとか、突然前進がビクッとしたとか。
誰もが多かれ少なかれ感じたことのある現象ですよね。
実際に肩を叩かれれば、その刺激が脳に伝わり「叩かれた」と認識しますが、実際にはそこに誰もいないのに同じように感じてしまう。
科学的にはこの現象は説明が付きません。
何らかの理由により、脳が肩に「叩かれた」という信号を送って知ったのでは、などと説明しますがなぜそのような信号が脳から送られたのか、その理由は説明できません。
だからといって霊があなたの肩を叩く、と考えるのはあまりに論理が飛躍しすぎです。
何故すぐに霊の仕業にしたがるのでしょうか。
先ほど頭を撫でられた感じがする件で説明しましたが、電磁波に反応してしまう人もいますし、非物質のエネルギーに反応することは誰にでも普通にあり得ることです。
風が吹いたり、雲が日差しを遮ることでギラギラ感が薄まるように、非物質のエネルギーがあなたの肉体に何らかの影響を与えることはいくらでもあるんです。
霊の仕業ではないですから。
香りがしてくる
香りに関しても同じことです。
実際に香りがしているわけではありませんが、その香りを感じたときに刺激を受ける脳の部位が非物質のエネルギーにより反応してしまう。
よくあるでしょう?
周りの誰も気付かないのに自分だけ変な匂いがすると感じてしまうことが。
実際には存在しない香りではありますが、それを感じたときに過去の記憶が連動してしまい、その匂いから昔付き合っていた女性の香水の香りを感じ取ってしまう・・・
こうしたことが起きることもしばしばあります。
声が聞こえる
非物質のエネルギーが聴覚に作用することもあります。
それにより聞こえるはずのない声が聞こえたとか感じてしまうこともあります。
心霊スポットで声を聞くとかいうのも、霊の声であることはほとんどありません。
木々のかすれる音が風の音と混ざり、さらに心理的にここは心霊スポットだから何か怖いことが起きるに違いないという思いが重なって、誰かの声がしたように感じてしまうなんてことは当たり前のように起きること。
だた、そういう現象に関して霊能者とかが「それは悪霊の仕業で・・・」なんて言い始めると、それを信じてしまいますよね。
霊能力のある霊能者なんて、ゼロとは言いませんがほとんどいませんから。
TVやメディアで有名なあの人だって、実際には霊能力なんてあるかどうか疑わしいものだと私は思っています。
理由もなく暑くなる/寒くなる
肌感覚として感じ取ることもあります。
なんとなく急に寒くなったように感じるとか、何もしていないのに身体が熱くなってきたとか、そういう経験をしたことのある人も多いと思います。
これなんか、目に見えないエネルギーに反応した典型とも言えます。
何らかのエネルギーに肉体が反応して熱を感じてしまうことは普通にあります。
私も瞑想しているときに、瞑想が深まるにつれ体感が変化することはよくあります。
だからといってこれが霊の仕業だなんて思ったこともありませんし、霊に何かされたなんてことも皆無です(当たり前ですが)
金縛りに遭う
金縛りを経験したことのある人も多いことでしょう。
科学的には金縛りは「脳が目覚めているにもかかわらず肉体が眠ってしまうため、体のコントロールがきかなくなる」現象だと言われています。
要は脳と肉体がアンバランスな状態になるために起きると。
ほとんどの金縛りはその通りでしょう。
その証拠に、金縛りは成長期に起きやすく、大人になるに従い頻度が減っていきます。
この金縛りを霊の仕業とする人がいますが、これも何の根拠もありません。
なぜ霊があなたにそんなことをするのでしょうか?
理由が分からない。
さらにそれが本当に霊の仕業だとしても、なぜそれが霊能者に分かるのでしょうか。
何故って、霊能者だから・・・
だから言ってるでしょう、霊能者なんてほとんどがそんな能力持ってませんから。
本当に希ではありますが、霊の仕業であることもあり得ますがその場合、あなたにも何故それが起きたか理由が分かるはずです。
何の目的もなく、本人が気付くことの出来ない状況でそんなことが起きることなんてほぼありません。
ですからあなたに金縛りになる理由に心当たりがないのなら、それが心霊現象であることはありませんので安心してください。
霊触なんて誰もが毎日普通に経験していること
ここまで見てきたように、霊触なんて普通に誰にでも起きることなんです。
なにも特別なことでも、特殊な能力でもありません。
それにワケの分からない理由をこじつけて、無理やり霊の仕業にしようとする人がいる。
そしてあなたはそういう人に欺されるわけです。
だからあなたは欺される
大事なことなのでもう一度言いますね。
霊の仕業じゃありませんから。
誰かに触られる感覚なんて、気付くかどうかは別にして誰もが毎日普通に体験していることなんですよ。
それに気付くタイミングによって「え、誰もいないのに触られた?」なんて思い込んでしまう。
そしてそれを必要以上に気にしてしまい、こともあろうか自称霊能者に相談してしまうから話がこじれてしまうんです。
いくら不安だったり怖かったりしたとしても、自称霊能者に頼っても彼らには何も出来ませんよ。
せいぜい祈ったり除霊するふりをしたりして「これで大丈夫」と言うだけです。
で、大丈夫と言われると、あなたは安心して霊触が気にならなくなる。
やっぱあの霊能者は凄いな、なんて思っちゃう。
で、ありがたがってお金を払っちゃうわけですよね・・・ああ勿体ない。
今回の記事で散々説明してきている通り、霊触というのは特別なことではありません。
どんな人でも普通に感じ取ることの出来る「日常の出来事」に過ぎず、霊的な何かが関係したりしていることはほぼありません。
また、霊能者とかスピリチュアルカウンセラーとか名乗っている人があなたに比べて霊的なものに対する感受性が格段に強いわけでもありません。
普通の人よりも霊能力が強いように見せかけているだけです。
その証拠に、あなたが何も語らなければ何も答えられない人がほとんどですよ。
あなたが「最近だれかに触られているような気がするんです」と相談するからそれに対して尤もらしいこと返してくる、それだけのことです。
試しにあなたが何も言わずに「私の悩みが何か当ててください」と言ってみるといいです。
全員とは言いませんがほとんどの霊能者は答えられないはずですから。
こういうレトリックを理解していない人が多すぎます。
だから騙されるんです。
いいですか。
霊能者とか占い師とか、そういう人たちに多くを期待すること事態が間違いです。
彼らにはあなたのことなんか何も分かりませんよ。
彼らに出来ることは、あなたの相談に耳を傾けてあなたが期待しているであろう答えを言ってくれる、せいぜいこのくらいのことです。
人生相談のようなものです。
それが分かった上で彼らに相談するのであれば何も問題はありません。
優秀な霊能者ほどあなたの相談に親身になって乗ってくれますから。
でもそれはあなたのためではなく、霊能者自身の「稼ぎ」のためですからね。
私なら、自分以上に何かが出来るわけでもない人に1円ですら払う気にはなりませんけど。
結論
今回は、誰かに触られている感覚の正体について説明してきました。
触られている感触を霊触なんて言いますが、これは別に特別なものでも何でもありません。
触れている感覚があったときに、触る相手がいないように思うから不気味に感じたり怖くなったりするだけです。
誰でも普通に起きている現象であり、気にしなければ良いだけのこと。
風が吹いたときに「寒い」と感じるのと何ら変わりのない程度のことです。
気にしない。
ということで今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。