知人からシータヒーリングを勧められた。
シータヒーリングがなんなのか分からなかったのでネットで調べてみたら賛否両論で溢れかえっている。
気になるのは「あれはやばい」「怪しいからやめとけ」「危険だよ」なんていう意見も散見されるので、気軽に知人の誘いの乗るのを躊躇している・・・
こんな人、多いんじゃないですか?
結論から言えば、シータヒーリングなんて信じる値打ちすらない代物です。
今回はその辺をしっかりと説明していきますね。
シータヒーリングってそもそも何?
まず、シータヒーリングについて簡単に説明しておきますね。
シータヒーリングとは1994年にヴァイアナ・スタイバルは提唱したヒーリング手法です。
これは瞑想の一種で、その効果は絶大でヴァイアナ自身に発症した癌が治ったということで、自分だけではなく他の人も癒やせるのでは、ということで体系化された・・・というのがシータヒーリングの触れ込みですね。
しかしながら実際にシータヒーリングを受けた人に聞いてみると、効果があったという人と全く効果が感じられないという人に真っ二つに分かれます。
日本にも多くのシータヒーラー(プラクティショナーとか呼ぶらしい)がおり、施術をしているようですが、このプラクティショナーというのも養成講座のようなものがあり、内容によって百万円を超えることもあるようです。
要はこれ、資格ビジネスの一種ですね。
シータヒーリングを施術するスキルを教え、所定のカリキュラムを終えると資格が与えられる。
その資格を持っていればシータヒーリングのプラクティショナーを名乗ることができ、施術をすることもできる。
興味があって資格取得のための講座を受けるお金を持っていれば、誰でも資格を取得できてしまうと考えていいでしょう。
これは決して悪いことでも何でもありません。
心理カウンセラーとかコーチングなども似たようなもので、所定のスキルを習得すれば資格を得ることができるという点ではプラクティショナーも同じです。
コンサルタントなんてもっとひどく、そもそも資格すらありませんから。
自分がコンサルタントと名乗ってしまえばもうコンサルタントです。笑
で、問題はこのプラクティショナーというのが何をする人なのか、ということです。
それを理解するために、まずはシータヒーリングの原理について簡単に説明しますね。
シータヒーリングの原理・効果
シータヒーリングは読んで字のごとく「ヒーリング」の一種とされています。
通常、施術側(プラクティショナー)とクライアントが1対1で行われます。
まずカウンセリングを兼ねた会話から、クライアントの悩みや思い込み、思考パターンを浮き彫りにし、その後実際のヒーリングに入ります。
ヒーリングはプラクティショナーが瞑想状態になり、クライアントの潜在意識に働きかけます。
つまり、クライアントの潜在意識をプラクティショナーが書き換えたり補強したりして悩みや思い込みを解消していく・・・とのことです。
このプロセスで、プラクティショナーが瞑想状態に入っているときの脳はパターンがシータ波になることからシータヒーリングという名称がついたようです。
具体的にはプラクティショナーはクライアントの前世や過去世を視て現世に影響しているトラウマを解消したり、過去の思い込みを書き換えて潜在意識を解放したり、ハイヤーセルフと繋がってクライアントの悩みや解決策を知り、それを伝えたりする・・・
これ以外にも、浄化・除霊ができたりもするようですが、これらはあくまでシータヒーリングを提供する側の言い分であり、受け手となるクライアントがそれをどれだけ享受するかは別問題です。
シータヒーリングの原理と効果について簡単に説明しましたが、問題はこうした宣伝文句がどこまで信じられるものかということです。
原理に騙されるな(嘘とホントを混ぜ込んだ巧みな説明)
こうした原理について、そのまま鵜呑みにしてしまうのは非常に危険です。
なぜなら事実の中に嘘が巧みに織り込まれているからです。
本章では事実と嘘について明確に区分していきますね。
プラクティショナーが瞑想状態に入ると脳波がシータ波になる
この説明は「正しくもあり間違いでもある」といえます。
瞑想とは一般的に、呼吸に集中し心身をリラックスさせていくことで意識を普段とは異なる状態(変性意識状態)に誘導し、普段は知ることのできない心の声に耳を傾けることです。
瞑想状態に入ると、脳波は通常の状態よりもその周波数は下がります。
ただし瞑想状態が浅いと、脳波はシータ波にはならず、リラックス状態の延長ともいえるアルファ波にとどまります。
多くの瞑想の実践者は、深い瞑想状態になることの難しさを知っていますから、自分が瞑想しても脳波が簡単にシータ波にならないことことも承知しています。
つまり瞑想で自らの脳波をシータ波に誘導するのは大変なことだということです。
このことから考えて、所定のカリキュラムを修了した人なら誰でも取得できるプラクティショナーという資格を持っているからといって、そう易々と深い瞑想状態に入れるようになっているとは思えません。
ということは、ですよ?
シータヒーリングの際に、プラクティショナーの脳波がシータ波になっているのか?
ここは十分に疑っておく必要のある部分です。
深い瞑想に入ることができるなら脳波がシータ波になることは可能ですが、果たしてプラクティショナーのうちのどれだけの人が施術時に瞑想でシータ波になっているのか?
もしもあなたがシータヒーリングを受けるなら、是非ともプラクティショナーに以下の質問をしてみてください。
「瞑想時にあなたの脳波が本当にシータ波になっている測定結果を見せてください」
おそらくほぼ全員がこの依頼に応えることはできないはずです。
脳波がシータ波になれば潜在意識にアクセスできるのか
自分自身の潜在意識にアクセスすることは可能でしょう。
しかしながらシータヒーリングはクライアントの潜在意識にアクセスするわけですから、本当にアクセスできているのかはしっかりと疑う必要があります。
深い瞑想状態になることで、自分の潜在意識からは様々な情報を受け取れるのは事実です。
それは自分で自分の潜在意識にアクセスするからであり、他人の潜在意識にアクセスするとなると話は全く別です。
自分以外の潜在意識にアクセスしたとして、それがクライアントの潜在意識だとどうして分かるのでしょうか?
全く別人の潜在意識にアクセスしてしまっていることだってあり得るわけで、そこから何らかの情報を受け取ったとしてもそれがクライアントに何の意味があるのでしょうか?
プラクティショナーがクライアントの潜在意識にアクセスできたかどうかを正確に判断できる術なんてないんですよ。
そもそも自分の潜在意識にすらアクセスできていないプラクティショナーだっていると思いますよ。笑
私もスピリチュアル界に身を置く専門家の端くれですが、他人の潜在意識にアクセスするなんていうことは暴挙だと思っています。
本人の潜在意識かどうかも明確に分からないのに、そこから何らかの情報を得たからといってクライアントに伝えるって、場合によってはすごく危険なことですよね。
前世・過去世を視たり思い込みを書き換えることができるのか
そもそもクライアントの潜在意識にアクセスすること自体すごく難しいことなのに、クライアントの前世を視たり根深い思い込みを書き換えたりできるのか?
これははっきりと言っておきます。
出来っこありませんから。
中にはできる人もいるかもしれませんが、それは特殊な能力と思うべきで、そういう人はわざわざプラクティショナーの資格なんて取らなくても独自の能力者としてやっていけます。
さらにいえば、思い込みを書き換えるなんていうことは他人が介入するべきことではないですよね。
そこに問題意識を持っているなら本人がなんとかすべきことで、アカの他人であり本物か偽物かも分からないプラクティショナーにそれを委ねること自体がおかしなことです。
さらにいえば、もしあなたがプラクティショナーから「あなたの潜在意識にアクセスして思い込みを書き換えておきました」といわれたとして、それ信じることができますか?
あなたが潜在意識にアクセスされたって、あなたに分かるんでしょうか?
ね、こういうやりとりがいかにいい加減なものになり得るかおわかりでしょう。
こうしたことすべてが可能だとしても、最後に残るのは、
「それ、すべてのプラクティショナーにできるんですか」
という点です。
できるプラクティショナーもいるのでしょうが、あなたにそれを見分けることができますか?
ここが最大の問題です。
お金をかければ誰でもプラクティショナーになれる資格ビジネスの一種でもあるシータヒーリング。
信じるか信じないか、それはすべてあなたに委ねられています。
まあ私なら・・・絶対に信じませんけどね。笑
総括
今回はシータヒーリングについて、何がやばくて何が危険なのかを説明しました。
一番やばくて危険なのは、あなた自身が自分のことを他人に委ねてしまうということです。
あなた自身だって自分のことが分からないのに、他人にあなたのことが分かるわけないと思いませんか?
そこのところをよく考えてみるべきです。
ということで今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。